Yokohama Changemaker's Camp

募集人数と、共有したい問題意識

募集テーマ2の写真

  • 原材料から環境に配慮したものづくり
  • ものが生まれる過程や背景にある人や環境にも配慮することが当たり前になる文化を横浜に根付かせる

…等、人と人、人と自然が共に生きる未来に貢献するブランドの創出につながるビジネスを推進、発展させていきたいという強い意志を持った方で、以下のような事業に取り組んでいる起業家4名を募集します。

想定される具体的な事業例

  • 生産者から消費者にものが届くすべての過程で、地球環境に負荷をかけない配慮がなされているものづくりや、ものをセレクトして販売する事業
  • 障がい者・高齢者の介護・福祉事業、あるいは労働市場で不利な立場にある人々の仕事を生み出し、やりがいや生きがいを創造する事業
  • 「地産地消」あるいは「エネルギーシフト」で地域経済の好循環を生み出す事業
  • 消費者の価値観が変わることを目指して消費者教育や啓発運動を行う事業

メンターからのメッセージ

藤澤 徹 氏

株式会社新藤 代表取締役社長/藤澤 徹 氏

「私たちは、上質なオーガニックコットン製品を企画製造販売することによって、地域社会の生活文化の向上と地球環境の保全に貢献します。」

これが株式会社新藤(しんふじ)の経営理念の第一項です。私たちはこの観点から1995年に「天衣無縫」というオーガニックコットンブランドを立ち上げ現在まで事業を継続してきました。

「ソーシャルビジネス」とは、経済産業省の定義によれば「地域社会の課題解決にむけて、…様々な主体が協力しながらビジネスの手法を活用しながら取り組む」ことであるとすれば、当時は意識しませんでしたが、この20年間の天衣無縫の事業活動と日本でのオーガニックコットンマーケットの拡大そのものが、ソーシャルビジネスの展開であったのではないかと思います。

どちらかというと成功体験より失敗体験の多い20年の経験から学んだ教訓を、今回の横浜市の事業で若い起業家の皆さんと共有できたらと思っています。業種業態を越えて「志」を同じくする「地元の仲間」として、本音の交流をしていきましょう!どうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール
和装小物の卸業を営む一家の長男として横浜市南区永田町に生まれる。中学生の時に家業の倒産を経験する。36歳で再建された父の会社に入社。債務超過の(株)新藤を立て直すために様々な事業に取り組む。1988年に横浜市から提案された「横濱001」にエントリーし、市内百貨店との取引を開始する。1991年に社長に就任し、偶然見た新聞記事の「農業で使用されている有害化学物質の25%が綿花生産で使用されている」という内容に衝撃を受け、1994年よりオーガニックコットンを原料とした製品の製造販売を開始。「天衣無縫」というブランド名で東京、横浜に直営店を4店舗展開しつつ、奥出雲、宮古島、そして横浜の地で、オーガニックコットンの生産を始めている。

募集の背景

商品を購入する時に「社会によいもの」を意識する人は59%

商品・サービスを選択する際に環境、被災地の復興、発展途上国の労働者の生活改善など、社会貢献につながるものを意識的に選択することがありますか?

募集の背景データ1

出展:内閣府「消費者行政の推進に関する世論調査」(2013年度)

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大量生産・大量消費の時代や近年の長いデフレ期を経て時代が進行する中で、安価なものが溢れ物質的な豊かさを当たり前のものとして享受して育ってきた世代の割合が高まってきました。一方、メディアによる告発やSNS等の情報拡散も相まって消費者の目が肥えて、価格に対して過剰に安い商品・サービスには何らかの裏があること(例えば、立場の弱い生産者にしわ寄せがいくことや、効率化のために安心・安全の面で問題がある場合があること等)も公知の事実として認識されるようになってきています。

内閣府の世論調査によると、消費者がモノを購入するときに、「社会によいもの」を意識する人の割合は約6割に及んでいます。これまでにもフェアトレードやエコロジー等の重要性は一部の人の間で認識されてきましたが、東日本大震災を経て、もの作りの現場で以前にも増して、商品の背後にある社会的価値を追求するようになった動向もあり、このような消費傾向は更に深化、拡大していくものと考えられます。

横浜でも進む、「社会的消費」

基本的な消費価値観の推移

募集の背景データ2

出展:株式会社野村総合研究所「生活者1万人アンケート」(2000年、2003年、2006年、2009年、2012年)

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「社会に良いもの」とは世界経済の高度成長の中で新たに発生した社会的問題の解決となるもの、あるいはそのために必要とされるシステムです。それらは近年、次のような言葉で表現されてきました。「CSR(企業の社会的責任)」「サスティナビリティ(持続可能性)」「エコロジカル(生態学的)」「エシカル(倫理的)」「ダイバーシティ(生物多様性)」「ローカリズム(地域循環、地産地消)」「スモール(適正規模)」「フェアトレード(公正取引)」「エネルギーシフト(省エネ+自然エネルギー転換)」など。

アメリカのニュース雑誌『TIME』は、これらをテーマにした「社会的消費」のことを、選挙、ボランティアに次ぐ第三の社会参加と位置付けているそうです。横浜においても、大手百貨店をはじめ様々なマーケットで、これらのキーワードをテーマにした商品開発やキャンペーンが行われるのを目にする機会が増えてきました。一方で企業理念や活動実体がないところで、これらの言葉が広がっていくことに関しては、単なるマーケティング用語として営利目的の一過性のブームに終わってしまう可能性がないとも言えません。

「社会的消費」で良い循環を生み出していく町、横浜を目指して

ここで、このテーマに横浜という都市を舞台に取り組んでいくことの必然性についても考えてみたいと思います。それは一言でいうと、「住民たちの社会問題解決型の消費行動、そしてそれによるソーシャルキャピタルの高まりは、同じ価値観を持つ住民を呼び寄せ、まちにシビックプライドと好循環をもたらす」ということに尽きるといえます。このことは、全米で最も住みたいまちランキング上位に常にランキングされる街オレゴン州のポートランド市の事例を見ても明らかです。

ひるがえって横浜は、開港以来の歴史・文化や港・水際を身近に感じる都市空間など、 これまでのまちづくりで築かれてきた豊富な資源を背景に、わが町を愛する市民一人ひとりによって支えられ、維持発展してきました。横浜がさらに成熟した都市としての輝きを増していくために、人々の消費活動の選択基準の中に、「社会的消費」の価値観をどう浸透させていけるのか、またこの運動を行政や企業とも連携をとりながら仕掛けていくことで社会にとってどのような好影響が生み出され、どのような可能性が拓かれるのか。今回、参画頂く4名の起業家の皆様と掘り下げることで皆様の事業ステージも高めつつ、横浜の未来に向けた取り組みや社会への提案を、試行錯誤しながら共に形作っていけたらと考えています。

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